【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第2章 魑魅魍魎とした、契約の真実
トド松は頭がいい。すぐにこの状況を悟ったはずだ。
「じゅ…しまつ兄さん…」
ゆっくりと堕ちた端へより、下界を見下ろした。その場所に、十四松はいない。
「十四松兄さんッ!!」
結局、叫んでも喚いても何も起こらず、トド松はその場に倒れこんだ。
ようは兄弟が死んだのだ。これで平然としていられる訳がない。
トド松の右手には、十四松と食べる約束をしていたのか、赤い林檎が手にあった。
神なのに、何も救えなかった。
何も気づけなかった。
ああ、この時、兄さんだったら助けてあげられたのかな。
兄さんだったら……
チョロ松、お兄ちゃん寂しがってるよ?