【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第2章 魑魅魍魎とした、契約の真実
昔々のその昔。何百年前の話だったっけ…
十四松が堕天した。
読んで字の如く、だ。
深い深い海のような蒼に身体を任せて。
マリーゴールドの瞳が笑い、十四松は最後にこう告げた。
『トド松にも、宜しくね?』
そう手を振り、十四松は堕ちていった。
「十四松ッ!?」
とっさに十四松を追いかけようとするが、空は深くて、肉眼では世界は見えなかった。
手を伸ばすも、虚しく空を掻く。
「っ…」
十四松は、なぜ、堕ちていった?
十四松はみんなに愛され、悩みなどなかったはずなのに。
もしかして…
────悩みを隠していた?
これはトド松にどう告げたら良いのか。
ちょうどその時。運がいいんだか悪いんだか。トド松がこちらへ走ってきた。
「────へ?」
「……トド…松…」
僕を悪魔のように見つめるトド松。
「十四松兄さん…?」