【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第2章 魑魅魍魎とした、契約の真実
「トド松ったら、また僕ら置いてお仕事行ったんだよ?今日は絶対に遊びたかったのに!」
灰色羽の天使は、慣れない羽をぱたぱたと動かし、駄々をこねる。
「……」
十四松は、結論から言うと、記憶と言うものがないのだ。
白羽から灰色羽になってからの記憶が。
いつもトド松は朝早く仕事に出掛けていると言うが、十四松はそれが気に入らないようだ。
実際の事を言うと、僕が十四松を仕事に行かせていない。
だって、堕天したはずの悪魔がこちらへもどってきた、その証である灰色羽なんて、他に知れたら見世物行きに決まっているからだ。
可哀想に。
いや、可哀想なのはトド松かも知れない。
相変わらず、二人は盲目的だね。