【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第7章 最初で最後の、贈り物
僕の宝物が、物理的にあり得ない動きをし始め、まるで壊れたからくり人形のよう振動する。
そして、やっぱり、
───────割れた。
木製の十字架にも関わらず、硝子が砕けたような音が響き、真っ二つに割れた。
そして───────────
「いやぁ~一松、やっと割ってくれたね!ありがとう!」
おそ松が、いた。
夢ではなく、生身の。
いつも黒い背景でしかおそ松を見たことがないため、多少の違和感があったが、それよりもおそ松は僕の妄想なんかじゃなかったと、深い安心感があった。