【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第7章 最初で最後の、贈り物
「はい…?」
なんとも哀しい声だ。
ゆったりと椅子に腰かけ、青いコバルトの瞳が細く覗く。
「一松…1人にしないでくれ…」
「大丈夫ですよ、お茶を淹れたら戻ってきますから。」
そう一言残し、部屋を出ようとした。
なのに神父は…なんでかなぁ…
僕に近づいたら、だめだよ。
僕を、嫌いになっちゃうでしょ?
だって──────────
「一松、1人にしないでくれ…」
神父が僕を抱き締めた。
孤独を恐れるんだね。
孤独だった僕を見ずに、自分の孤独を恐れるんだ。
僕もだよ。
僕も、自分のことしか考えてなかった。
自分だけが辛いって。自分だけが可哀想だって。
そう、愚かにも思っていた。
僕らは愚か者だから。
小さな世界が、崩壊した。