【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《前編》
第1章 出来損ないの、シスターさん
一松の香りがして、唇は柔らかかった。
そして、まるで氷のように冷たかった。
「…………」
一松が呼吸苦しそうに身体をぱたぱたと揺らす。一松が寝返りを打った時、唇は離れた。
「………////」
…一生の思い出にしよう/////。
「さて…一松、起きろ。」
揺さぶって体勢を仰向けに戻して布団をめくる。
「……あ」
一松の首には、木製の十字架が引っ掛かっていた。
お前、寝る時もその十字架つけてんのか。
全く、たった一つしか物を贈って上げられなかったのに。
大事に持ち歩きやがって。
お願いだから、その十字架を、割らずに、ずっと大事に護っていて欲しい。
俺が背負ってしまった、“大きな罪を償えるまで”。
さて………
「起きろ一松ッ!!」
軽い怒声を浴びせただけで、一松はさっきまで寝た振りをしていたかのようにベッドから跳ねおきた。
「おはよございますカラ松神父……」