第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「ん…」
桜は眠気まなこで起き上がると、呆然と辺りを見回す。
「あれ…ここ、私の部屋…?」
傍らで眠る緑間に気付くと、桜は驚いて凝視する。
「真太郎が運んでくれたのか…」
薄く笑うと緑間の頬を指先でちょんと触れる。
「ありがと、真太郎。大好き」
そう囁いた瞬間、緑間に抱き寄せられる。
「え?!起きてたの?」
布団の中で、目の前には緑間の姿。
「今、目が覚めたのだよ」
唇同士が触れそうな距離で、緑間が囁く。
「…起こしちゃった?」
「いや…」
恥ずかしそうに視線を泳がせ、桜が口を開く。
「なんだ?覚悟しておくと言ったのは桜だろう?」
妖艶な瞳で桜を見つめると、頬に唇を寄せる緑間。
「…そう…だけど…今?」
「そうだと言ったら?」
緑間は桜の腰に腕を回す。