第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「あの時は、真太郎が照れてるのがおもしろくて…つい…」
ちらりと緑間を見て、恥ずかしそうに頬を染める桜。
「では、その優越感、俺がいただくとしよう」
「そうはいかないよ、赤司君」
赤司の言葉で、氷室が不敵に笑ってみせる。
「今度こそ、俺が勝つッスよ!」
「俺だって!本気出しちゃうぜー」
黄瀬と高尾も、異様な闘志を見せる。
「なーに言ってんだ。勝つのは俺だ」
青峰もニヤリと笑ってみせる。
「また…勝手に決めないでよ」
「心配するな桜。勝つのは俺なのだよ」
身を乗り出し慌てる桜を、緑間が眼鏡を押し上げ制止する。
「う…ん…」
不安そうにうつむく桜の頭をそっと撫でる緑間。
「まーた、見せつけてくれるッスねー」
「黄瀬、うるさいのだよ」
緑間はそのまま桜を抱き寄せる。
「うっわー!挑発してるぜ真ちゃん」
「し、真太郎?」
驚きつつも、うれしそうな表情の桜。
「んじゃ!一回勝負!始めるッスよ!」
黄瀬の声で、勝負が開始された。