第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
しばらくして戻ってきたのは黄瀬と高尾だった。
「お待たせッスー」
「腹減ったー!」
席に着いて食べ始める二人に続いて、最後に戻ってきたのは火神と青峰だった。
皿の上には肉が山積みにされている。
「青峰!それ、俺が狙ってた肉だろーが!」
「は?!俺のに決まってんだろ!」
睨み合いながらも息の合った掛け合いに、呆れる一同。
「火神君、周りに迷惑ですよ」
「こいつが悪いんだよ」
黒子の言葉に、不満そうに腰を降ろす火神。
「青峰も、迷惑なのだよ」
「ふん」
静かに呟いた緑間の言葉に、青峰も不満な顔をあらわにする。
「それにしても、すごいお肉の量だね」
「お前は食わなすぎだ」
火神はお肉を一皿、桜の前に差し出す。
「え?」
「昼間、体力使ってんだろ。食っとけ」
そう言った火神の皿はほとんど空になっていた。
「そうだね…明日もあるし。たくさん食べようかな」
桜の言葉を聞いて薄く笑うと、火神は再び料理を取りに席を立った。