第34章 舞い降りた天使と九人の騎士

桜が席に戻ると、黒子と赤司の姿があった。
「もう戻ってたんだ」
二人の向かいに座る桜。
「品数が多すぎて、一度戻って来ました」
「こういうのは初めてだが、おもしろいね」
「確かに。目移りしちゃうね」
黒子と赤司の言葉に、楽しそうに笑う桜。
「敦、甘いものばっかりじゃないか…」
「えーだって美味しそうだったしー」
そんな会話をしながら桜の隣に座ったのは紫原だった。
傍らには氷室の姿。
「あはは。あのチョコレートファウンテンは魅力的だよね」
桜が笑いかけると、氷室は呆れた様子でため息をついた。
そんな氷室をよそに、チョコレートを頬張る紫原。
「まだみんな揃ってないだろ、敦」
「待ってられなーい」
「おなか空いちゃったよね。先に食べようか」
子供のような紫原に、桜が笑顔を見せる。
「確かに。おなか空きました」
「では、先にいただこうか」
一同は手を合わせて食べ始めた。