第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
桜は一人、大浴場の湯船に浸かっていた。
「一緒にお風呂…か…」
以前の出来事を思い出し、顔を赤くする桜。
「真太郎って、時々大胆だよね…」
両手で頬を覆い、緩む頬を誤魔化す。
「…確か、露天風呂あったよね」
桜は湯船から上がると、露天風呂に続く扉を開けた。
「うわ…一気に冷えるー」
冷たい空気に体を振るわせると、足早に湯船に浸かる。
「岩風呂に積もった雪が素敵だな」
貸しきり状態の露天風呂で、手足を広げて堪能する。
「星空も素敵だし、提案してくれた黄瀬君に感謝だね」
名前を口にしたとたん、隣から本人の声が聞こえてくる。