第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「家族風呂?」
「貸し切りにして、みんなで入…」
言いかけた黄瀬の頭に、緑間の拳が振り下ろされる。
「何を言い出すのだよ」
緑間は黄瀬を睨みつける。
「痛いッスー」
その場に座り込み頭を抱える黄瀬。
「んじゃ、行くか」
青峰が桜の肩を抱き通り過ぎる。
「青峰ー!」
緑間は青峰の背中を蹴り飛ばす。
「痛ってぇ…何すんだ緑間てめー!」
床に倒れこんだ青峰は、すぐさま悪態をつく。
「黙れ!雪山に裸で放り出してやるのだよ」
青峰の胸元を掴むと、浴衣を脱がそうとする。
「やめ…やめろって…冗談だよ」
引きつった顔で笑って誤魔化す青峰。