第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「とりあえず、立ってバランス取れるようになろーぜ」
「う…ん…」
傍らの高尾の手を借り、何とか立ち上がる桜。
ゆっくりと手を離し自力で立ってみるものの、バランスを崩して前方に倒れこむ。
「わ…ご、ごめん…どうしよう…」
「大丈夫ッスよ。落ち着いてー」
桜は前に立っていた黄瀬に抱きつく状態になってしまった。
離れようにも板が邪魔をして上手くいかない。
「ど、どうしよう…」
「桜っち、落ち着いて」
慌てた桜は、黄瀬を突き飛ばすように背後に尻餅をつく。
「…痛っ…」
「大丈夫か?!」
「桜っち!」
一瞬顔をしかめた桜だが、すぐに笑顔を見せる。