第34章 舞い降りた天使と九人の騎士
「やーっと出たー!桜っちー?!緑間っちと旅行ってどういう事ッスかー?!」
「…二人は恋人同士なんだ。旅行くらい普通だろう」
「え?!赤司っち?!何で?どういう事ッスか?!」
携帯から漏れ出る黄瀬の声に、笑いをこらえる桜と緑間。
「偶然会ってね。桜をエスコートした帰り道だよ」
「エスコートって何ッスかー?!ずるいッスー!」
軽くウインクする赤司に、思わず頬を染める桜。
「それで、黄瀬は桜に何か用事かい?」
「誤魔化す気ッスね…」
「桜に代わるよ」
赤司は薄く笑うと、携帯を桜に差し出す。
「黄瀬君?驚かせてごめんね」
携帯を受け取った桜は、笑い混じりの声で話し出す。
「マジで驚いたッスよー俺も桜っちをエスコートしたいッスー」
「あはは…」
「黄瀬、用が無いなら切るのだよ」
桜から携帯を取り上げると、緑間は不満そうに言い放つ。