第33章 雪の魔法
玄関を出て姿が見えなくなるまで見送ると、緑間を見上げる桜。
不満そうに見下ろす緑間を見ると、桜は笑ってみせる。
「ありがとう。真太郎のおかげで赤司君と話せるようになったよ」
「まったく、余計な助言をしたのだよ」
緑間は桜の頬を軽く摘み上げる。
「もーそんなこと言わないでよー」
桜も手を伸ばし緑間の頬を摘み返す。
しばらく見つめ合うと、お互いに笑い出す。
「お腹空いたね」
「そうだな。部屋に戻って食事にするのだよ」
フロントで鍵を受け取ると、部屋に向かう二人。
しばらくして、テーブルいっぱいの豪華な食事が運ばれて来る。
「…食べきれるかな…」
そう言いながらも、味はもちろん、見た目も鮮やかな食事を堪能した。