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【黒バス】シュガーポット

第33章 雪の魔法


お風呂上りに部屋で外を眺めていると、次第に辺りが暗くなり始める。
緑間の携帯が電話の着信を知らせると、静かに対応する。
「赤司が下のロビーに着いたそうだ」
「…うん」
桜は一瞬表情を曇らせる。
「大丈夫か?」
「…うん」
うつむき頷く桜を見て、緑間は小さく息を吐く。
「桜、俺は中学時代に赤司と話すことが多かったのだよ」
緑間をそっと見上げる桜。
「真太郎…?」
「赤司がバスケ部主将、俺が副主将ということもあったが、他の話もしていた」
緑間は桜の視線に合わせ腰を落とす。
「よく将棋を指しては、負かされたのだよ」
呆れたように笑う緑間。
「今のあいつが、俺の知っている本来の赤司なのだよ」
「…確かに、あの時とは別人にしか見えない…」
「結局は、黄瀬や黒子同様、桜に惚れた一人の男だがな」
「…それは…私のせいじゃ…ないし…」
うつむく桜の頭をぽんぽんと撫でる。
「身構えずに自然に接すれば、大丈夫なのだよ」
「…うん…」
桜は緑間の言葉に、少しだけ笑って見せた。
「なら行くか。待たせては悪いのだよ」
「うん」
笑顔で答える桜に、緑間も安堵の表情を見せた。
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