第33章 雪の魔法
そんな二人を見て、赤司はクスクスと笑い出す。
「まったく…見せつけてくれるね」
その言葉に頬を染め、隠れるように緑間の胸に顔をうずめる桜。
「相原さんは雪が好きかい?」
赤司に話しかけられ、桜はゆっくりと顔を向けると小さくうなずく。
「ならば、お詫びとお近づきを兼ねて案内したい場所があるんだが、どうかな」
笑いかける赤司をじっと見つめると、桜は緑間を見上げる。
「桜が良いなら、俺はかまわないのだよ」
緑間の優しい笑顔に、桜は再び赤司に視線を向ける。
「…行ってみたい、です…」
桜の言葉に、赤司はうれしそうに笑顔を見せる。