第33章 雪の魔法
「着いたー寒い…」
京都駅に到着し、荷物をロッカーに預け外に出た二人。
駅前の雪化粧をした世界に声を弾ませる桜だが、
あまりの寒さに緑間にしがみつく。
「はしゃぐと転ぶのだよ」
「はーい」
お互いに手袋をした手をつなぎ合う。
「さて、のんびり歩くか」
「うん」
近くの神社仏閣を歩いて巡るべく、二人は歩き出した。
混みあった通りから、境内に一歩踏み込むと空気が変わる。
騒がしい俗世から切り取られたような静けさと、厳かな空気。
真っ白な紙に墨汁をたらした様な景色に、ただただため息が漏れた。