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【黒バス】シュガーポット

第33章 雪の魔法


「これ、二人で行ってきなさい」
桜は手渡された封筒を不思議そうに見つめる。
中を確認すると、入っていたのは旅行のチケットだった。
驚いた桜は、慌てて母親に返そうとする。
「お、お返しします」
「キャンセルするより、楽しんだ方がいいでしょ」
「でも…」
母親はそう言って笑うと、カップを手にする。
「真太郎。お年玉だと思って、二人で行ってきなさい」
ふいに優しい笑顔を向ける母親。
「…しかし、本来ならば父さんと行く予定だったはず…」
「そう…でも、いいのよ」
寂しそうな顔でカップを置く母親だが、次第に肩を震わせ、笑い声が漏れる。
「急な出張で行けなくなった代わりに…お父さんのお小遣いで欲しかったもの買っちゃったから!」
満面の笑みを見せる母親。
「だから、気にせず行ってきなさい!旅行のお小遣いも奮発するわよ」
うれしそうにテーブルのお菓子を手にする母親に、桜と緑間は顔を見合わせる。
「遠慮なく、行くか」
困ったように笑う緑間に、桜も笑い返す。
「では…お言葉に甘えて」
「楽しんできなさい」
急遽決まった旅行に、驚きつつもうれしさを隠せない桜だった。
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