第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて
それを見ていた赤司が声を出して笑い出すと、全員が視線を向ける。
「赤司っちが、笑ってるッス…」
「なんだ、相原さんはみんなに好かれているんだね」
そう言うと不敵に笑い桜に近づく赤司。
「だったら俺も、相原さん…いや、桜に本気を出そうかな」
赤司の言葉に頬を染める桜。
「昨夜はせっかくスイートに二人きりだったのに、惜しいことをした」
その一言で、一同が騒ぎ出す。
「赤司っち!どういうことか説明して欲しいッス!」
「許せません」
「なんだよスイートって!詳しく聞かせろよ!」
赤司に詰め寄る黄瀬と黒子、高尾の三人。
「スイートも良いけど、雪景色の中の花火もきれいだよ?」
氷室がすかさず桜の肩に腕を回す。
「俺、スイーツの方がいいー」
「俺はその辺のホテルでいいやー」
「下品なのだよ青峰!」
緑間は声を荒げると、桜の手を引き抱きしめる。