第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて
「く、黒子君?!」
「勝ったら、桜さんをもらうと宣言しました」
驚く桜に、慌てる緑間。
黒子の行動を関心するように見つめる赤司。
「黒子!桜を離すのだよ」
緑間が桜に手を伸ばした瞬間、背後から聞きなれた声がした。
「あー!黒子っち!ずるいッスー!」
姿を見せたのは黄瀬だった。
駆け寄って来た黄瀬は、勢いよく桜と黒子に抱きついた。
「俺だって桜っち大好きッス!!」
「真ちゃんみーっけ!って、なんか楽しそー!」
さらに高尾が姿を見せ、便乗して桜に抱きつく。
「黄瀬!高尾!桜に近づくなと言っているだろう!!」
「桜ちゃん、そこにいるのかい?俺も便乗しようかな」
笑顔で姿を見せたのは、氷室と紫原だった。
「桜ちんお菓子持ってないー?また食べたいなー」
「なんだーこの団子状態」
欠伸をしながら青峰が近づいてくる。
真ん中にいた桜の姿を見るとニヤリと笑う。
「お。こいつ浴衣姿の色っぽい奴か。俺も混ぜろよ!」
「青峰…浴衣姿とは何のことなのだよ…」
「げ!み、緑間…」
鬼の形相の緑間に動揺し腰が引ける青峰。