第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて
残り二分足らず。
火神を中心とした妙な圧力を感じる洛山。
迷いも無く火神に合わせた連携を取る誠凜。
「まさか、本当のゾーンとは…」
誠凜の動きの答えに、赤司が可能性を立てる。
「そうさ…俺だけで戦うんじゃない。みんなと戦うんだ!」
火神が、ゾーンを越えたゾーンの扉を開けた瞬間だった。
扉の先には、同じチームの仲間が待っていた。
一瞬のアイコンタクトのみで、火神の動きに合わせた兆速連携。
その動きは目で追えないほどで、会場を圧倒した。
赤司の天帝の眼でサポートしていても、誠凜の動きが上回る。
それでもやはり立ちはだかるのは赤司。
「勝つのは、俺だ」
洛山の背中が見えたと思ったが、赤司にシュートを決められてしまった。