第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて
「シンデレラの落し物…か…」
低く呟くと、視線を緑間に向ける赤司。
「彼女は、真太郎の所のマネージャーか?」
緑間は赤司を警戒し、鋭い視線を向ける。
「真太郎、それでは答えを言っているようなものだ」
クスリと笑う赤司。
「だが、彼女が誰のものであろうと関係ない」
赤司は一歩桜に近づくと、鋭い眼光を向けた。
「…え…?」
桜はその瞳に捕らえられ、倒れこむように赤司の腕の中に収まってしまった。
体が強張り、声どころか呼吸をするのも難しい。
「桜?!」
手を伸ばす緑間だが、赤司に鋭い視線を向けられ動きを止めた。
「桜は僕に必要なものだ」
そう言って桜の髪をひと撫でする赤司。