第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて

「相原…アレックス…てめぇ！」
怒りに任せ殴りかかろうとする火神を制する氷室。
「こんなところで選手が喧嘩なんてしたら、問題になるのはお前だけじゃないぞ」
「何があったんだよ」
冷静な氷室に問いかける火神。
「いきなり絡まれてな。二人に手を出そうとしたんで止めたらこの様だ」
「そんな気まぐれみたいなことで、人殴っていいのかよ」
話をする二人を見てイラついた男の子は、火神に殴りかかる。
「さっきからうるせーんだけど！」
火神はギリギリでかわすが、男の子は再び殴りかかろうとする。
そこに、男の子めがけバスケットボールが飛んでくる。
片手で軽々と受け止めると、好戦的な視線で睨みつける男の子。
そこには、見慣れた男の子が立っていた。