第32章 雪をも解かす真冬の華よ、いつか僕に手折らせて
「すまない、待たせたね」
そして、キセキの世代を束ねた主将、赤司征十郎。
洛山高校、一年生にして主将、チームの司令塔ポイントガード。
階段の上から姿を現した赤い髪をした男の子は、
背丈は黒子と変わらないが、片目の色が違うオッドアイをしていた。
威圧的な雰囲気で一同を見渡すと、一人の人物に目をつけた。
「場違いな人が混じっているね。悪いが君は、帰ってもらっていいかな」
そう言われたのは、リコに指示され黒子に付いて来ていた降旗だった。
赤司に鋭い視線を向けられ、完全に萎縮する降旗の背後から火神が姿を見せた。
「なんだよ。仲間外れにすんなよ」
キセキの世代全員を目の前にしても、動じない火神。
「あんたが赤司か。会えてうれしいぜ」
挑発的に笑みすら浮かべる火神を、無言で凝視する赤司。