第28章 魅惑の声色
黄瀬と桜が待ち合わせ場所に着いてしばらくすると、緑間と高尾、黒子が姿を見せた。
桜の姿を見て薄く笑った緑間だが、すぐに怪訝な顔をした。
黄瀬と笑顔で話しをする桜を見て、高尾がにやりと笑った。
「なーんか恋人っぽいけど、黄瀬君、元気なくね?」
「どうかしたんですか?」
そう言う高尾と黒子を見て、桜は苦笑いをした。
「黒子君に電話切られて、落ち込んでるの」
「今更ですか」
「黒子っちー!」
さらりと答える黒子に、泣きつく黄瀬。
「うっとおしいです」
黒子は、得意のミスディレクションで黄瀬を交わす。