第24章 叶わぬ夢を抱いて
「本当に、ごめんね」
「いやいや、気にしなくて良いって!いつものことだしな」
笑顔に戻る高尾を見て、少し安心した様子の桜。
「そうなの?なら良かった…じゃあ、私は一人で校内まわってくるよ」
「え?!うちの店寄っていかねーの?!」
手を振り去ろうとする桜を慌てて引き留める高尾。
「うん…ここにいるのバレちゃったし、
せっかくだから、真太郎の通う学校を見るくらいいいかなって」
そう言うと、背を向ける桜。
「桜ちゃん…」
寂しげな笑顔を残して歩く桜の背中を、高尾はじっと見ていた。
「さっきの女の子、ただのクラスメイトだよね…
いいな…真太郎と、同じクラス…」
桜はぽつりと呟いた。