第24章 叶わぬ夢を抱いて

「なぜ、ここにお前がいるのだよ」
抱きつかんばかりに高尾の手を取りはしゃぐ桜の背後に、
怒りを含んだ声が響く。
振り返るとそこには緑間の姿。
「あ…真太郎…」
桜は慌てて高尾から手を離す。
「えっと、これは、その…」
いつにも増して強面の緑間に委縮し、高尾の背後に隠れる桜。
そんな桜に、苛立ちを覚える緑間。
「あれほど来るなと言っただろう…」
「まぁ、いいじゃねーか。文化祭なんだから楽しくいこーぜ」
高尾がへらりと笑い助け舟を出す。