第22章 横顔にみとれて
「花火大会、合宿の時以来だなーって」
合宿と聞いて合点が行く緑間。
「あぁ…そういえばそうなのだよ」
そう言って再び視線を空に移す緑間。
そんな緑間をじっと見つめる桜。
「…あの時、私のこと、見てたでしょ…」
囁いたその言葉に、弾かれたように桜に顔を向ける緑間。
その顔は、驚きと動揺に満ちていた。
「き、気づいていたのか?!」
「気づいてたけど、気づかないフリしてた」
少しだけ、寂しそうな顔を見せる桜。
「…気づいていたなら…あ、いや、それはそれで…」
緑間の言葉に桜は薄く笑うと、そのまま視線を空に移す。