第22章 横顔にみとれて
「あの時の真太郎と、どう接して良いか分からなかったから…」
「それは、俺も同じなのだよ」
空を見上げる桜を、じっと見つめる緑間。
「…海岸通りで助けてくれた時から、好きになってたから…」
照れくさそうに笑う桜に、緑間は思わず目を見開いた。
「それと、真太郎に嫌われてると思ってたから」
桜の顔は、苦笑いに変わる。
当時の態度を思い出し、気まずそうに視線を逸らす緑間。
「そ、それは…すまなかったのだよ…」
そう言うと緑間は、桜の肩に腕を回し抱き寄せた。
「しかし俺はそれ以前に…一目見た時から桜が好きだったのだよ…」
その言葉に、思わず緑間を見上げる桜。
頬が真っ赤に見えたのは、きっと花火のせい…
~終わり~