第2章 初デート
「桜は優しいな。そういう所も好きなのだよ」
「好き」という言葉だけ耳元でそっと囁く緑間。
その瞬間、桜の顔は耳まで真っ赤になってしまった。
「もぉ!今日の緑間君なんか変だよ!ずるい!!意地悪!」
桜は、小さな拳で緑間の胸をポンポンと小突く。
「意地悪は分かるが、ずるいとは何なのだよ」
小突く両手をそっと手に取る緑間。
「だって…緑間君かっこいいから、そういうの似合い過ぎて、心臓が持たないよ」
するりと手を離すと、別のお土産コーナーに移動してしまう。
そんな桜が可愛いと思い、抱きしめたい衝動に駆られる緑間だった。