第19章 記憶のカケラ
「あ、木吉先輩…と、桜さん?」
そこに、体育館から出てきた黒子が声をかける。
「黒子君…!どうしよう…私、緑間君に…緑間君に嫌われちゃったかも…!」
桜はベンチから立ち上がり、黒子に向き直る。
「…桜さん?突然どうしたんですか?」
桜の言葉に、驚きを隠せない黒子。
「もしかして、記憶が…?」
「あの日会ったの…緑間君に。お前が笑顔ならそれでいいって言われて…行っちゃった…」
顔を覆い、その場に座り込む桜。
「あの日って、黄瀬君と出かけた日ですか?」
黒子は桜の傍に行き、片膝をついた。