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【黒バス】シュガーポット

第19章 記憶のカケラ


翌日、桜は差し入れを手に誠凜高校バスケ部に来ていた。
あれから幾度となく桜を気にかけてくれるバスケ部員に、お礼を兼ねてと
朝からいろいろ準備していた。
しかし、体育館の入り口から中を覗いて入ろうとはしなかった。
「なんか、入りづらいな…」
そう呟くと、近くにあったベンチに腰掛けた。
「休憩時間になるまで、ここで座ってよう」
差し入れの入った大きな荷物を傍らに置き、桜は空を見上げた。
「真っ青な空…きれいだなー…」
真夏の昼下がり、ほどよく木陰になったベンチ。
湿度は低く、時折吹く風はそれほど不快ではなかった。
そして、目を閉じて聞こえてくるボールの音と、バッシュのスキール音に耳を澄ます。
「…私の記憶、どこにいっちゃったんだろう…」
虚空に向かって呟く。
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