第19章 記憶のカケラ
それからデザートを食べ、帰路に着く。
桜の家の前まで来ると別れを告げ、黒子と黄瀬は背を向けた。
「黒子君!さっきはありがとう!黄瀬君も、誘ってくれてうれしかった!」
少し離れた二人に、桜は声をかけ手を振った。
二人は、顔を見合わせて笑うと、手を振り返す。
「黒子っち、今日はすげー役得ッスよね」
「うらやましいですか?」
「当たり前じゃないッスか!俺がどれだけ桜っちを好きか!」
「でも、黄瀬君は緑間君にしばかれますよ」
「黒子っちはしばかれないッスか?」
「ミスディレクションで逃げます…」
「便利ッスね…」
笑顔で手を振る傍らで、こんな会話をしていたことを桜は知らない…。