第19章 記憶のカケラ
「黒子っち!変なこと言わないで!桜っち!違うッスから!俺は純粋に…!」
慌てる黄瀬を見て、桜はクスクスと笑い出す。
「桜っち…?」
「桜さん…?」
そんな桜を、黒子と黄瀬の二人が不思議そうに見つめる。
「黄瀬君て、なんだかおもしろいね。子犬みたいで…可愛い」
笑いをこらえながらも、笑顔を見せる桜。
「桜っち…!記憶なんてどーでもいいッス!このまま、俺を好きになっ…!」
「それはダメです」
言いかけた黄瀬の言葉を遮るように、黒子がわき腹にチョップを入れた。
「黒子っち…地味に痛いッス…」
「自業自得です」
そんな二人を見て、桜はさらに笑顔を見せた。