第19章 記憶のカケラ
「桜さんが、桜さんが大変なんです!すぐに病院に…!」
「桜が?!どうしたというのだよ!」
緑間はベンチから立ち上がり、声を荒げた。
「え?桜ちゃん?」
緑間の豹変振りに、高尾は表情を強張らせた。
「とにかく、メールに書いた病院に来てください!」
「わ、わかったのだよ!」
そう言うと通話を終了させ、メールで場所を確認する。
「どうしたんだよ真ちゃん…桜ちゃんに何かあったのか?」
高尾が心配そうに声をかける。
「俺にもよく分からないが、とにかく行ってくるのだよ」
「あ、あぁ…」
緑間は手早く荷物をまとめて、体育館を飛び出した。