第19章 記憶のカケラ
保健室には黒子に加え、リコと日向、火神が集まっていた。
ベッドの傍らには、心配そうにリコが付き添っている。
カーテンを隔てて、桜を心配する黒子と火神が話をしていた。
「階段から落ちたって…」
「桜さんと別れた直後のことでした…」
「しかし黒子、よく桜をここまで運べたな」
「桜さん軽かったですよ…それに、見てくださいこの力こぶ」
「ねーし!」
控えめな声でやりとりをしていたが、日向は小声ながらも二人に怒りをぶつけた。
「うるせーぞてめえら!で、桜の様子はどうなんだ、リコ」
日向が、苛立ちながらもそっとリコに声をかける。