第19章 記憶のカケラ
「そうかな…そういえば最近食欲無いかも…」
「そういえばって、ちゃんと食べないとダメじゃないですか」
あっけらかんと応える桜に対して、呆れた顔の黒子。
「かなりの小食な黒子君に言われてもなー」
クスっと笑う桜。
「…それもそうですね…でも、ちゃんと食べてください」
「ありがと。それより、部活の途中じゃないの?」
「休憩時間です。教室に忘れ物をしたので取りに行った帰りです」
手にしていた物を、ちらりと桜に見せる。
「そっか。たまには差し入れ持って遊びに行くから、がんばってね!」
「はい。ありがとうございます」
そう言うと、桜は手を振って軽快に階段を上っていった。