第1章 無愛想な人
あっ
ふと手が重なる
重なる手の伸びる方へ見上げると
背の高い端正な顔立ちの男性
黒い帽子を深くかぶっていたから一瞬みえただけだけど
かっこいい
「あ、す、すみません。ど、どうぞ。」
急いで手を引き、恐る恐る声をかけるも
「・・・・」
無言
ギロ
睨まれた
怖いよ・・・この人怖い
素早く本をとり、足早に去っていくその男
「なんなの、あの人感じ悪いー。少しでもかっこいいなんておもった、ときめき返してよ。これがさわやかなイケメンだったら、恋の始まりだったかもしれないじゃない!」ふんっ
そのきっかけだった本をつかみ有紀も書店をでた