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【おそ松さん】貴女と愉快な六つ子たち

第5章 君に愛ある手料理を



あんまり真剣に言うものだから、いいよとも言えず。
わかったと了承してしまう。

「あの、ちゃんと洗濯します...」

そこまでしてもらったら悪いと言いそうになって僕は、口をつぐんだ。

「じゃあ、お礼になにか作るから食べてくれる?」

「...え?」

不安げに揺れる瞳が空の群青をうつす。
僕は群青を見つめてにこっと笑う。

「僕ね最近料理がマイブームなんだ、でも味見してくれる人がいなくて困ってて?だから...ダメかな?」

「でも、私...はいちゃう...し」

「わかってる、でも透ちゃんに味見して欲しいんだ」

やっぱりダメかな、なんて考えてた矢先だった。
ぎゅうっとパーカーを握り締めて、群青が次はオレンジにかわる。

「...そしたら、そしたら、チョロ松さんにまた会える?」

燃えるようなオレンジが、真っ直ぐ僕を見る。
なにか決意をしたような真っ直ぐで、綺麗で、空をうつしただけじゃできない吸い込まれそうな色。

「うん、会えるよ」

「じゃあ、食べる。私チョロ松さんが作ってくれるなら食べる。」

その一言があんまりにも嬉しくて、僕は透ちゃんに近づいてそっと小指を差し出す。

「約束しよう?」

「うん、約束する」

小指を絡めてお互いに笑い合う。
僕が透ちゃんと初めて交わした約束は、ちょっと変でそれでとっても大きな約束。

「じゃあ、またね」

「うん、また」

別々の道を歩きながら、僕はぐーっと背を伸ばす。
シャツ1枚になって少し肌寒いのに、心は何故かあったかい。

「さて、頑張るか!」

空を見上げて一番星に向かっていう。


そしてまた思う、透ちゃんがご飯をちゃんと食べれる様になりますようにって...。


〜END??〜
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