第3章 疲れた時は、側にいて?
「たっだいまー!」
ご機嫌で帰ってきたら、俺と正反対の女の子が家で泣いてた。
誰もいない松野家で、なんで明かりがついてんのなんて思ってたら案の定こんな感じ。
かわいーかわいー俺達六つ子のアイドル。
一つ年下の透ちゃんは、今日もまたお目目を腫らしてご乱心。
「おそ松兄ちゃん」
「おっきい目からボタボタ涙こぼしちゃってどうした?お兄ちゃんに言ってみな?」
にかって笑って見せる。
まあ、大体の検討はついんてんだけどね。
「ふぅっ...。ふ、ふられ」
「うんうん?そっかそっかー、まーたふられちった?」
「!!!?!またとか酷い!」
目を真っ赤にさせながら殴りかかってくるもんだから、それをひょいっとよける。
まぁ、可愛い女の子のパンチ一つでよろけるお兄ちゃんでもないけどね。
その途端に透ちゃんがバランスを崩しちゃうもんだから、慌てて支えようとしたら参ったね本当。
どたーんと物凄い音と共に、やーらかくて、やーらしい感触が俺の顔にふんわりと乗りかかる。
あっ、やば!おそ松くんのおそ松が大変なことに!
「あいったた!おそ松兄ちゃん大丈夫?」
あわてふためく透ちゃんに一言。
「うんやー?ぜーんぜん大丈夫じゃないわ。重症だわ重症、下半身が熱くて死んじゃいそー」
その一言に気づいたらしく、顔を真っ赤に染めちゃってバシンと良い音が俺から響く。
「バカー!!!おそ松兄ちゃんのバカー!!!」
「仕方ないじゃん、だって男の子だもんねー」
「変態!!さいてー!!!」
ぎゃいぎゃいと俺を罵る可愛い透ちゃん。
作戦は大成功。
「ごめーん、透ちゃんが可愛くてさー!お兄ちゃん我慢できなくなっちゃった」
「クズ!クズ松兄ちゃん!」
怒ってるからさっきまで泣いてたのは忘れたみたいだな?
たまには俺のセクハラも役にたつだろ?
「そんな事言ったら俺泣いちゃうよ?お兄ちゃん寂しくて泣いちゃう」
「嘘だもん!泣いたりなんかしないでしょ?」
ほら、もう涙は止まったろ?
本当世話が焼けるよな、まぁ可愛いからいいけど!
ーセクハラは程々にー