第2章 貴方の後ろは~おそ松~
「だー!おっもい!」
カラカラカラと自転車のタイヤから危なっかしい音がする
「ちょっとおそ松!女の子にそれは失礼なんじゃないかな!?」
空は晴天
何処までも広がる青に手を伸ばせば、届きそうな気がする。
「お前さー、俺の後ろに乗せてもらってる分際で口答えとかいー度胸だなー」
その言葉とともに体が大きく左右に揺れた。
「ぎゃー!おそ松のバカぁぁ!」
前からニシシシッっと笑い声がきこえる。
片方の手が鼻の下を擦っていた。
「こらぁー!自転車の二人乗りは違法だー!」
後ろからそんな声が聴こえてばっと振り返れば
「うわっ!担任の政信じゃん、やば!ヤバイよおそ松!」
その言葉にまた笑い声が
「んじゃーいつもみたいにまきますかー」
グンッと漕がれるペダル
危なっかしい音
着なれた制服
17の夏
私はまだ貴方に想いを伝えられないまま....