第7章 貴方の一番になりたい
目が覚めた。
相変わらず真っ白な天井。
ふっと目に手をやれば、何故だか泣いていた。
トド松がこの間、夢占いとかゆうので泣きながら目を覚ますのは自分が嬉しくて嬉しくて仕方ない時だなんて言ってたけど、絶対に嘘じゃん。
グイッと拭ってベットから飛び起きた。
窓にむかい、ぼやっと外を見る。
外の景色には赤色はもうどこにもなくて、あるのは枯れ木ばかりだ。
どこを見てもあの日の赤は見当たらない。
今日で何回目だろう?
夢でこれを見るのは?
やっぱりあれは夢だったんじゃないかって何度も何度も思ってみたけど、日取りが近づくにつれ周りが慌ただしくするものだから現実だと思い知らされた。
「...透」
妹だ。
大切な妹。
それ以上の何者でもあってはならない。
例え、どんなに愛していたとしても...。
ふと近くの木を見ると1枚赤が残っていた。
吹き飛ばされてなるものかと、最後の意地みたいに...。
「もう、頑張んなよ?もう俺充分頑張ったよ?」
透の一番にはなれない...。
なっちゃ、いけない...。
強く思ったのが通じたのか、はたまた通じなかったのか...。
季節外れの赤い木の葉が1枚、風に揺れ運ばれていった。
〜貴方の一番に...
Is this really what you want?