白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「おい、姫凪…!」
変わらないで
変わっちゃ嫌だよ
私はクロが…鉄朗が…
『待たせちゃ、駄目だよ
せっかく来てくれたんだから』
好きなの。
「姫凪…」
行かないで
行っちゃ嫌…
お願い背中を
「そうだな
お菓子出してくれてサンキュな
後で資料整理手伝うから
あんまり頑張り過ぎんな
また倒れんぞー」
向けないでよ…
心の声は
虚しい現実に掻き消され
ポツンと一人になる私
踏み出すのが遅かったの?
もうどうにもならないの?
幸せを願わないと
イケないの??
鉄朗が私の幸せを願ってくれた様に
私もあの人と鉄朗の幸せを
願わないとダメなのかな…
中々返って来ない鉄朗が
気になって
進まない資料整理
「布施さん早いですね
…って、それまだ先の資料でしょう?
早出してまでしなくても
あれ?黒尾さんは?
ロッカーに荷物があったから
来てると思ったんですが…」