白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
ズンズン進む足
部屋から漏れる声
いつも通りだけど
赤葦さん、早いよ!
相手が赤葦さんだと
疑わず
扉を開けた先には
「…あ、スイマセン
お邪魔しちゃって…」
高そうだけど
上品なスーツに身を包んだ
女の人
昨日の夜より
綺麗で凛とした
『ハナ…さん?』
クロのお見合い相手の姿
「え?なんで私の名前…
あの、どこかでお会いしましたか?
あ、もしかしてアナタ…」
昨日の夜の記憶は
ハナさんにはないのは
当然で私だけが
知ってて困惑するのも当然だ
「ハナちゃん!
ここじゃアレだから
えっと…応接室に!」
何か言おうとしたハナさんを
クロが遮り
「え?クロオくん…?!
チョット…!?」
ハナさんの
手を引いて部屋から出て行く
二人で応接室で
何を話すの?
私に聞かれちゃダメな話、かな?
それとも…二人切りに
なりたかっただけ、かな。
『あ、お茶…
出さないと…』