白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
冷静な及川さんの声に
もしかしたら、とは思うけど
『…でも、二人で合コン抜け出してるのは
なんで…なの…
あんなに酔わして…』
身勝手な不満と疑問は次から
次へと溢れて来る
「それはクロちゃんに
直接聞きなよ
二人から
逃げて来たのは
姫凪ちゃん(そっち)なのに
ここで愚痴ってるのは
違うでしょ?」
ピシャリと突き放す
及川さんの声には
納得しかない
『…聞いて、来ます
家に帰ってると思うので』
「タクシーで行くなら
付き合うよ
てゆっか俺も帰るし
乗せてってあげる
ほら、おいで?
止まってると
またスグ、ウジウジするでしょ、キミは」
裏道から大通りに戻り
タクシーを素早く止めて
私を押し込む及川さん
御礼を言う間もなく
クロの家の前に着いてしまったけど
『帰ってない、のかな…』
電気が付いてない
まさか…あの人を送って…?
「ハイハーイ。
ダークな妄想しないの
相手の子
酔ってたんでしょ?
運転手さんと揉めてるのかも
しれないし
もう少し待ってみたら?
それくらいなら付き合うからさ」