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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ


「ここまで来れば大丈夫かな?
後でタクシーで送ってあげるから
とりあえず座りなよ」

連れて来られたのは
ポツポツと灯りあるだけの
静かで小さな公園

『え?でも…』

「座りなって。
あんな顔しちゃうくらい
辛い事があったんでしょ?
話聞いてあげるから、ね?」

先にベンチに座り隣をポンポンと叩き

私の目の中を見つめてくる
"なんでもない"
そう言って笑うつもりだったのに

「クロちゃんと何かあった?」

その名前を聞いたら
笑えない…よ

『クロ…が、お見合い…
相手の人と…お酒飲んで、た…』

「は?それいつ?」

『さっき、遭った…
綺麗な人と…帰る所、だった…』

「いや、まさか…
そんなわけないじゃん」

驚いた様子で否定する
及川さんの声を

『お見合い写真持ってた!
その人からもクロの香りがしたの!』

息の整わないままの声で遮り

『優しく…してた…
それに…凄く嫉妬…した
前になんか進めない
私…鉄朗が…好き…』

そのまま吐き出してしまった想い
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