白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
その人が着ている
何かの雑誌で見た事ある
オシャレな服は
結構良い値段がしたはず!
シッカリ支えた身体からは
その人の甘い香水と
クロのタバコの匂いがして
二人の距離が近かかった事を
物語ってて胸が痛い
早く帰って来て…
そして…言って
私の考え過ぎだ、って。
「姫凪
ハナちゃん乗せるから
連れてきてくれ」
『うん』
高そうなパンプスにも
気を使いながら
ハナさんを
タクシーまで連れて行くと
「ほら、ハナちゃん
乗って?
運転手さん、ここまで
行ってもらえますか?」
ひょい、と
寄り掛かってた身体が
引き離され
クロの胸に引き寄せられる
いや、離れてよ…
身勝手だと分かってても嫉妬するのは
私がクロを好きだから
どれだけ終わりを自分に言い聞かせても
何度もクロを好きになってしまう
やっぱり私は…
クロしか愛せない…
大見得切った及川さんにも
研磨くんにも
呆れられるかも知れないけど
もう気持ちにウソは付けない