白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「待て、勘違いすんな
今日はオイカーくんの代わりで…」
「クロオクン…タクシー…
早く帰って寝たい…」
『…部屋で寝るんだ…』
もう関係ないのに
お持ち帰り未遂にさえ
全然笑えないよ…
『…お茶してる場合じゃないじゃん』
なんで、誘ったの?
この人が居るのに…
それともこの人が
クロを追いかけて来ただけなの?
ねぇ、ねぇ…
「もう、立てない…」
「うわ!ハナちゃん!
座り込むな!
姫凪、悪い
タクシー拾ってくるから
チョット頼む!!」
説明してよ…苦しいよ…。
トスされた
細い身体の女の人と鞄
「…クロオくん…」
私をクロと間違えてるのか
甘えた声を出してる女の人
『アナタ…誰?
クロの…なに?』
ポツリと声を吐き出すけど
「眠い…」
近くにあるはずの耳には届かないようで
身体の力が抜けていくのが分かる
『ちょ、重い…です
チャント立たないと
服汚れちゃう……!』