第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

いっそお酒のせいにして

「ヨコシマですよー？
だって俺は…」

『俺は、なに？
あの、やっぱり…少しだけ…』

アナタの心の奥まで
覗きに行きたい

"たまには飲むのも良いかも…"
邪は自分の方だと
苦笑いしながらも
続けようとした
その時

「クロオクン…？
誰、その子…
タクシー、捕まった？」

弱々しい高い声が
私達の後ろから聞こえた

「え？あ、いや…」

振り返った先には
フラフラした足取りの
女の人

『…女の人…
飲んでたのって
この人と？』

「ば、ばか
二人でじゃなくて
木兎と木葉も…」

『…あぁ、合コンしてたんだ
お持ち帰りだ…
そうだよね、クロも
合コンくらいするよね…フリーだし…』

口に出しながら
胸がヒリヒリ焼け付くように熱い

これ、知ってる
嫉妬だ。

別れても
どれだけ離れようと決意しても
クロに女の人の影があるだけで
嫉妬してしまうなんて

全然前になんか進めてないじゃない